偉人の名言、格言は、ビジネスシーンで活用できるあらゆる要素が詰まっています。
時には勇気づけられ、時には自分を変えるきっかけになることも。
偉人に学ぶ、今回はこの格言です。
飛べないなら、走ればいい。走れないなら、歩けばいい。歩けないなら、這えばいい。いずれにしろ、前に進み続けよう。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(英語: Martin Luther King Jr.、1929年1月15日 - 1968年4月4日)は、アメリカ合衆国のプロテスタントバプテスト派の牧師である。市民やメディアからキング牧師と呼ばれ、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動したが、1968年に暗殺された。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
ご存知キング牧師です。
「I Have a Dream(私には夢がある)」
の一節で知られる演説を行ったことが有名ですね。
1964年にノーベル平和賞を受賞し、アメリカの人種差別克服へ大きく貢献した人物です。
「飛べないなら、走ればいい。走れないなら、歩けばいい。歩けないなら、這えばいい。いずれにしろ、前に進み続けよう」
この言葉こそ、彼が人種差別克服へ向けて歩み続けた想いを表現しています。
人種差別に苦しんだ幼少期
彼にまつわるこんなエピソードがあります。
幼少の頃、隣に白人の家族が住んでいました。
キングはその家庭の同年代の男子二人と遊んでいましたが、6歳のある日彼らの母親が
「黒人とは二度と遊ばせません!」
と宣言をしました。
これが人生で初めての差別体験です。
高校時代には、弁論大会で優勝した帰りのバス中で白人から席を譲れと強要されて、激しく怒ったという話もあります。
これが後に有名なバス・ボイコットに繋がっていくことになるのです。
モンゴメリー・バス・ボイコット事件
1954年9月にキングはアラバマ州モンゴメリーで牧師として就任しました。
一年ほどは平穏に務めていましたが、1955年12月にそのモンゴメリーで発生したとある事件が彼の運命に大きな変動をもたらします。
その事件とは、ローザ・パークスという黒人がバス内で白人に席を譲らなかったために逮捕された、という事件です。
キングはこの事件に激しく抗議して、モンゴメリー・バス・ボイコット事件運動を計画し、運動の先頭に立ちました。
この運動は黒人たちの結束を高め、翌1956年11月ついに連邦最高裁判所からバス車内人種分離法違憲判決を勝ち取り、抗議運動は成功を収めました。
この事件は、公民権運動に一般の民衆が参加した初めての運動でした。
これ以降公民権運動はアメリカ全土に広がりを見せてバス・ボイコットは各都市に広がっていきました。
この成功により、キングは公民権運動のもっとも有力なリーダーの1人となりました。
これ以降、彼はアトランタでバプテスト教会の牧師をしながら、全米各地で公民権運動を指導していくことになります。
「I Have a Dream」
非暴力主義を提唱し続けたキング。
彼の影響でアメリカは公民権運動の盛り上がりを見せました。
そんななか、キングたちは首都ワシントンにおいてリンカーンの奴隷解放宣言100年を記念する大集会を企画します。
この集会にて有名な
『“I Have a Dream”(私には夢がある)』を含む演説を行い、人種差別の撤廃と各人種の協和という理想を訴え多くの共感を得ました。
この演説は、即興であったといわれています。
ですがその理想を語る姿や内容が世界的にも高く評価され、20世紀アメリカを代表する名演説として有名になったのです。
暗殺~死後
1968年4月。
全米を周り活動をしていたキングに悲劇がおとずれます。
メンフィス市内のモーテル内バルコニーにて。
その夜に予定していた集会の打ち合わせをしている中で、白人男性で累犯のジェームズ・アール・レイに撃たれてしまうのです。
弾丸は喉から脊髄に達し、すぐに病院に搬送されましたが、キングはそのまま帰らぬ人となりました。
享年39歳。
墓標には
『ついに自由を得た』
と穿たれました。
あまりにも突然すぎて早すぎる死は、アメリカ全土を怒りと悲しみに包みます。
一時はアフリカ系アメリカ人により暴動が起こりましたが、葬儀が行われると、彼等だけではなく多くのアメリカ人が葬儀に参列し、その死を悼みました。
アメリカではキングの栄誉を称え、1986年より、キングの誕生日に近い毎年1月第3月曜日をキング牧師記念日として祝日としています。
現在、アメリカ国内において少数民族に対する人種差別はいまだ根絶されていません。
ですが、前へ進むことを辞めなかったキングの運動の結果、公民権法が施行されたのです。
法的側面からの人種差別撤廃の動きを実現させ、
平和的な手段によって前進させた意味は、とてつもなく大きいといえるでしょう。
おわりに
ここ日本の地においても、教科書の題材として使用されたことがあるくらいキングの生涯というのは有名です。
ほんの少しでいい、明日の自分は今日よりも前へ進んでいること。
そんな彼の言葉は、今でも人々を前進させていることでしょう。
そう考えると、彼は死後も進み続けているようなものです。
生きている我々が止まってしまわないように、歩み続けていきましょう。
今回の格言がどこかの誰かの役に立てば幸いです。