突然ですが、『アンガーマネジメント』という言葉を知っていますか?
昨今ではだいぶ市民権を得ているこの言葉ですが、
アンガーマネジメントとは何かを簡単に説明するとこうです。
アンガーマネジメントは怒らないことを目指すものではありません。違いを受け入れ、人間関係を良くする心理トレーニングです。
1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。
怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。
日本アンガーマネジメント協会
つまり、怒らないように感情を抑える訓練をすることではなく、
『怒りと上手に付き合う』ことに目を向けているのが『アンガーマネジメント』です。
怒れないことが原因となり他者から軽んじられたり、仕事を押し付けられたり、
約束を破られたり、とにかく自分を下に見られたりして損をしている人は多いです。
あなたの心のモヤモヤは、この『怒り』が要因となっている可能性がります。
占い師をやっていて、相談者のモヤモヤの根源は怒りであることによく気づかされます。
今回は、自分を守るために必要な『怒り』についてご紹介していきます。
正しさと現実のギャップこそが、モヤモヤの正体
はっきり言います。
あなたのモヤモヤの正体は、あなたが正しく生きようとすることへのこだわりと、現実の間にあるギャップです。
怒りを感じる時は、
あなたが思う正しさが目の前で否定されいてる時に他なりません。
理想が裏切られた時、と言い換えることができます。
例えば、あなたが困っている人に親切にした場合。
『困っている人を助けるのは正しいし、周りの人もそうあであってほしい』
と思っています。
ところが、周囲の人間が
「律儀だねー。なんでそんなことするの? 放っておけばいいじゃん」
と言ったら、それはあなたの正しいと思っていることを否定するものです。
こんなとき、
『そんなこと言うべきじゃない』
『そんなことを言っていいはずがない』
あなたはそう思いませんか?
正しさとは『~べき』『~はず』という言葉に収束します。
『約束は守るべき』『人は優しくなれるはず』といった具合です。
『常識』『マナー』『あたりまえ』『普通』といった言葉も、正しさを象徴する意味で使われますよね。
あなたが感じる『~べき』『~はず』が多ければ多いほどモヤモヤが多くなります。
少し話は変わりますが、
世の中にある間違っていることを変えようとするときにも『怒り』があります。
人類の歴史を振り返った時、全ての革命の裏には『怒り』があるのです。
全ての革命が『善』であったとは限りませんが、
多くの人が社会に不満やおかしさを感じ、『怒り』をもって行動した結果が革命です。
怒ることをためらわないでください。『怒り=悪』ではありません。上手に活用しましょう。
あなたも『正しく怒る』ことで自分の中に革命を起こすことができます。
怒りの上手な活用法
前途の通り、アンガーマネジメントは『怒らなくなるための方法』ではありません。
『怒る必要のあることには上手に怒り、怒る必要のないことには怒らなくて済むようになる事』
を目指すものです。
1970年代にアメリカで生まれた、れっきとした心理トレーニングになります。
どのようにして怒りを活用していけばいいのでしょうか?
モヤモヤは『~べき、~はず』の数だけ多くなるので考えれば考えるほど混乱していきます。
これ以上混乱しないために『怒り』の効果的な活用方法やメリットなどをご紹介していきます。
怒ることのメリット
一般的に怒ることのメリットとして
『ストレス発散』『すっきりする』『相手をコントロールできる』
などと考えてしまいがちですが、これらは全く持って違います。
なぜなら、お互いにとって健全なものとは言えないからです。
怒ることでストレス発散をする人は、ストレスを発散したいから怒ります。
怒って相手をコントロールする人は、未熟でわがままなだけです。
では、怒ることの正しいメリットとはなにか?
それは、大切なものを守るための盾になることです。
大切なものとは、人の尊厳や価値観、考え方、そして命そのものだったりです。
嫌なことや面倒なことを押し付けられなくなったりもします。
『正しく怒る』ことは、自分のことをバカにしたり、軽く扱ったり
貶めようとしたりする輩から自分を守る盾になります。
怒りを生み出すことには簡単に成功する。正しく扱えるかどうかがポイント
『怒れない人』の特徴
『怒れない人』の特徴としては
- いい人でいたいと思っている
- 怒っても仕方がないと思っている
- 怒っている人を見ると怖いから
- 怒り方がわからない
- 自分に自信が無い
- 間違えたくない
- 怒るのが恥ずかしい
- 責任を取るのが嫌だ
というのがあげられます。
いい人でいたい。つまり、嫌われたくないという感情が強い傾向です。
ここで注意したいのは『怒りの感情で後悔しない』ことです。
このいい人でいたい人たちは、怒っても後悔するし、怒らなくても後悔します。
怒ることが苦手なあなたは、あの時怒っておけばよかったと後悔していませんか?
嫌われないように考えれば考えるほど、モヤモヤして後悔にも繋がります。
怒りの感情で後悔するのはやめよう
効果的な扱い方
怒りは、自分が正しいと思ったときに湧く感情です。
その怒り、つまり自己主張するのがわがままで失礼というふうに思い込んでいませんか?
確かに、自分が正しいんだと正論を振りかざしてもそれは相手に届きません。
まずはそれぞれの意見がある、という現実を受け止めること。
コミュニケーションの理想形は自己肯定と他者肯定です。
要は、私もOKであなたもOK、です。
互いを肯定できるコミュニケーションをするには、自己主張も不可欠なんです。
それぞれ正しさを掲げている状態で向き合っても、それは争いになるだけですが
お互いに意見があるということ。
自分と違うものへの受容。
自分と違うものを受容できると、どんな人の考えや意見を聞いても、そこに衝突や軋轢は生まれません。
自分と違うことは悪いことではないですし、敵ではないのです。
そう思えることができれば、自分の周りは味方しかいなくなります。
周りが『攻撃してくる人ばかり』と思うのか、『応援してくれる人ばかり』と思えるのかで、生きやすさは雲泥の差です。
怒りをコントロールするということは、上手く自分を主張するということ。
結局のところ、自分の周りには自分以外の人しかいません。
そんなあたりまえの現実を受け入れられるかが鍵となります。
おわりに
『怒り』というのは、他者を攻撃する『剣』ではなく、自分を守る『盾』です。
モヤモヤは、自分の正しさを否定されているときに発生します。
このときに『怒り』の使い方を間違えるとモヤモヤのままです。
自己主張と、相手に敬意を払うことは両立できます。
以上です!
ここまで読んでくれてありがとうございました!